労働問題
労働審判とは、労働者と使用者との間の個別労働関係に関する民事紛争を、迅速、適正かつ実効的に解決するための手続です。
労働審判法に基づく労働審判手続を行う労働審判委員会は、裁判官である労働審判官1人と、労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2人で構成されています。
労働審判委員会は、原則として3回以内の期日の中で、当事者の言い分を聴いて、争いになっている点を整理し、必要に応じて証拠調べを行い、調停を試みる簡易な手続きです。
原則として3回以内の期日で手続が終了するため、訴訟に比べて迅速に解決することができます。
書類の提出や証拠調べが簡略化されているため、訴訟に比べて手続きが簡易です。
調停を試みるため、当事者の合意による解決を目指すことができます。
労働問題については、労働者優位が裁判所の主流ですので使用者側は裁判にもちこまず示談交渉で解決する方法もあります。
また、
労働者側も訴訟をして時間をかけるより、示談交渉で解決するか、示談交渉が無理な場合は、労働審判で早期に解決する方法もあります。
事情に合わせてより良い方法をアドバイスさせていただきます。
近年、未払残業代問題が世間を賑わし、労働者の権利を守るための声が大きくなっています。
タイムカードによる労働管理が一般的となっていますが、会社の側は残業代を全額支払わず、種々の名目でカットしていることから、未払残業問題が生じています。
解決手続きとしては、交渉・労働審判・訴訟などがあります。
残業時間などの証拠を収集し、複雑な残業代請求の金額を算定いたします。
示談交渉での解決をお勧めいたしますが、交渉がまとまらない場合は、訴訟を起こす必要があります。
訴訟で勝訴した場合、会社は労働者に残業代を支払う義務を負います。
また、判決確定までいくと、会社には残業代と同額の賦課金や、労働者が退職した場合は14.6%の遅延損害金の支払が命じられる可能性があります。
管理監督者や事業場外労働のみなし残業代などの論点はありますが、訴訟や労働審判で使用者側の主張がみとられるのは稀なことです。
上司や同僚からパワハラなどのハラスメントにあった際に、やっておくべきことは有効な証拠を残しましょう。
弁護士に解決を依頼することで、
・代理交渉ができる
・労働審判や裁判で心強い味方になる
・損害賠償を請求できる
・悪質な場合は刑事告訴も考える
など、
申請や代理交渉などあなたの負担を抑え、スムーズに解決する方法があります。
ハラスメント行為の程度や悪質性、被害者の受けた影響などを考慮して、戒告、減給、出勤停止、停職、解雇などの懲戒処分を行うことができます。
また、会社側も適切に対処しない場合は、被害者から使用者責任の追求される可能性があります。
パワハラなどのハラスメント問題は、会社側がハラスメントの事実を認知していたかなどが重要になるため、社内の相談窓口などに報告・相談することも大事です。
更に、労働者の健康管理の専門家として産業医の協力を得ることで、被害者の精神的・身体的健康状態を把握し、適切な支援を行うことができます。
また、加害者のハラスメント行為の原因や動機を分析し、再発防止策を検討する際にも、産業医の協力が重要です。
整理解雇は、経営上の合理的な理由に基づいて、一定の要件を満たした上で、余剰人員を削減するために実施される解雇です。
整理解雇を行うためには、以下の4つの要件を満たす必要があります。
◯人員削減の必要性
◯解雇回避努力
◯被解雇者選定の合理性
◯解雇手続の相当性
これらの要件を満たすことは非常に困難で、厳しい要件となります。
また整理解雇は、労働者にとって不利益な処分であるため、解雇された労働者から訴訟を起こされるケースも少なくありません。
したがって、経営状況の厳しい中でも解雇以外の手段も検討するなど、視野を広く持って様々な角度から経営改善を図っていくことも重要です。
希望退職者の募集や退職金の割増、非正規社員の整理による削減、配置転換、退職勧奨などに応じてくれれば、解雇を争われるリスクがなくなります。
このような工夫は、後々整理解雇に踏み切ることになったとき、「解雇回避努力」として評価される可能
整理解雇は、企業にとっても労働者にとっても大きな影響を与える重大な決断です。弁護士に相談することで、整理解雇を適正かつ円滑に進めることができます。