不動産トラブル
土地のトラブルのひとつに、境界争いがあります。法律の世界では、全ての土地について境界ははじめから決まっており、その争いは元々あった境界を確認することになります。
ですが実際には、元々あったはずの境界は法務局の図面にも記載されていないことが多く、記載があっても再現できないことが多くあります。
また、再現できたとしてもその境界は間違っていると主張される場合は争いとなります。
以前までは訴訟で解決するしかありませんでしたが、不動産登記法の改正で土地の境界の確認制度(筆界特定制度)ができ、法務局の登記官が筆界特定調査委員の手助けを受け、境界を確認できることになりました。
もちろん訴訟をすることも可能ですが、よほどの反対証拠を持っていない限り裁判所を説得することは難しいと思われます。
したがって、土地の筆界特定制度において、自分の主張や証拠を充分提出する必要がありますので、弁護士に相談するのが賢明です。
地代家賃の値下げが問題となる時代となりました。経済状況の変化や、少子高齢化による人口減少などにより、地代家賃の値下げを要求するケースが増えています。
家賃の場合は、高ければ引っ越すことで、支払金額を下げることができますが、地代の場合は、引っ越すことが難しいため、値下げを求めるケースが多くなっています。
内容証明郵便で値下げする旨を貸主に通知します。
その後、値下げ前の金額を払いつつ、簡易裁判所に調停の申立てを行います。
双方が合意した金額で地代家賃が値下げされます。
簡易裁判所で調停が成立しない場合
借主が訴訟を提起することになります。
借主は、支払い済みの金額と値下げ後の金額との差額に年10%の利息をつけて、貸主に返還する必要があります。
収益物件については、家賃保証制度の普及により、賃借人から建物や土地を明け渡す必要性が減り、明渡しを求める裁判も減少しています。
不動産引渡命令により強制執行することができます。
※件外建物がある場合
不動産引渡命令は出ませんので、訴訟により明渡しを求めることになります。
公売資料が不完全で占有者が不明なことがあります。この場合は、公売資料に基づいて占有移転の仮処分を行い、占有者を特定した上で訴訟により明渡しを求めることになります。
家賃保証で収益物件の購入を勧める不動産業者には注意は必要です。
例えば、
サラリーマンの顧客をターゲットに、最初は都心のワンルームから始まり、遠隔地の地方都市の収益マンション1棟買いをすすめる不動産業者がいます。
売買時には関係者を入居させ満室を装い、売買が決済されると退去します。そして、1年ほどの家賃保証期間終了後は、空室が増えて逆ざやとなり、借入をしてローンを払わねばなりません。
上記のケースでは、不動産業者と銀行への責任追及が考えられます。
不動産業者には、虚偽の説明や不実告知により、顧客を誤解させたとして、民事上の責任を問われる可能性があります。また、銀行には、顧客の収支状況を十分に審査せずに融資を行ったとして、民事上の責任を問われる可能性があります。
不動産業者に対しては、顧客に虚偽の説明や不実告知を行ったことを立証できれば、損害賠償を請求することができます。
銀行に対しては、顧客の収支状況を十分に審査せずに融資を行ったことを立証できれば、損害賠償を請求することができます。
〇購入価格の返還
〇ローン返済費用の負担
〇損害賠償金の支払い
などの請求が考えられます。
実際に責任追及をする場合、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、不動産業者や銀行の不正行為を立証するための証拠を収集し、損害賠償請求を有利に進めるためのアドバイスやサポートを提供することができます。
また、不動産業者や銀行の不正行為が明らかになった場合、金融庁や公正取引委員会への通報も考えられます。
金融庁や公正取引委員会は、不動産業者や銀行に行政処分を行うなど、再発防止を図ることができます。