1 ご相談の経緯
結婚生活10年目の相談者(30代男性)は、妻(30代)との間に子二人を授かり、夫婦共働きで平穏な家庭生活を送っていました。
ところが、相談者が当事務所に相談に見えた年の4月に、妻が職場の上司と不貞関係にあることが発覚しました。
妻は当初不貞を認め自認書も作成したのですが、子2人を残し自宅を出て別居してから、妻も不貞相手の上司も不貞を否認し、当事務所に相談に見えました。
2 示談交渉
当職が受任したところ、夫も妻も子の親権を希望し、妻も代理人を依頼し、妻の代理人の弁護士と示談交渉をしましたが、面会交流について夫の子の監護権を認める内容の合意書の作成を拒否しました。
3 調 停
夫から離婚と慰謝料請求の調停申立をしました。
妻は、面会交流の申立をしましたが、その後、監護者指定と子の引き渡しの審判(裁判所が決める手続き)の申立をしてきました。 裁判所は、当事者で話し合うよう命じ、調停としました。
調査官調査
調停手続の中で調査官調査が実施され、夫婦と2人の子の4人に調査官が面接した結果、子1人は父と下の子と一緒ならという条件付き、子1人は、年1回と母との面会交流に消極的な態度であった。
試行的面会交流
裁判所で試行面会交流を実施しました、調査官意見は、いきなり母子だけの面会交流を実施するのでなく、父立会の上で時間をかけて母子関係の修復をはかるのがよいとの意見であった。
夫と夫の母同席の上で1時間程度面会交流。以後2月に1度に面会交流を施した。
面会交流の調停
2月に1度2時間、15分は夫が同席するという調停が成立。
4 訴 訟
妻はなお、不貞を否認し親権も希望したので、離婚については夫の不貞相手に対する慰謝料請求と共に訴訟となりました。
妻の不貞相手との和解
妻の不貞相手は、不貞を否認しましたが、75万円の解決金で和解しました。
調査官調査(親権)
子2人は夫と生活することを希望
妻の不貞相手の尋問を申請しましたが不貞相手は出廷せず、夫と妻のみの尋問(裁判所で証言すること)を行って判決となりました。