不動産の相続
もくじ
大切なご家族を亡くされたご遺族にとって、相続は大きな負担です。
特に不動産相続は、相続財産の評価や分割方法など複雑で難しい問題も多く専門的な知識も必要です。
当事務所ではこれまでの経験活かし、問題解決いたします。
事例にそって不動産に関する相続問題を解説いたします。
●空き家を処分する場合
相続した空き家を処分する場合、相続人全員の同意が必要です。
まず、不動産業者に査定を依頼して買い主を見つけましょう。
大手の不動産業者では、相続登記が完了していないと仲介を受け付けないところもありますので、事前に相続登記を済ませておく必要があります。
相続登記が完了したら、他の相続人に買い手が見つかったことを伝え、売却を承諾してもらいましょう。
売却代金の分配をスムーズにしたい場合は、弁護士に依頼して遺産分割協議書を作成してもらいましょう。
空き家を処分するメリット
●空き家を取得したい場合
相続した空き家を取得したい場合は、他の相続人と話し合い、単独相続を認めてもらう必要があります。
単独相続をするには、他の相続人に相続分相当の代償金を支払う必要があります。代償金の支払い資金がない場合は、金融機関から借り入れをして支払うことになりますが、住宅ローンより金利が高くなる可能性があります。
相続人同士の話し合いで決まらない場合は、弁護士に依頼して交渉してもらうか、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしましょう。遺産分割調停は時間がかかるため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
当事務所では、このような案件を数多く扱ってきた実績があります。
空き家の処分や取得でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
共同住宅は、相続税評価の際に貸家建付地減価、貸家減価がなされますので、預金や金融商品を相続するより、相続税の面で有利です。
税理士さんが計算した申告書の評価額は、時価より低額ですので、この点を他の相続人から指摘された場合は、素直に譲歩する必要があります。
評価については、不動産業者に査定してもらうとよいのですが、不動産業者は依頼者に有利に高く査定したり、安く査定したりすることが可能となります。
査定書をチェックする際に注意すべきことは、通常の居住用不動産の場合は、路線価や公示価格から土地の値段を計算し、建物の固定資産評価額を足して、時価と考えます(積算価格)。
●収益不動産について
収益不動産は、積算価格に年間収益を期待利回りで割って、収益価格を計算して、積算価格も勘案して時価を計算します。商業地に2階建の文化住宅が建ち有効利用できていない場合は、収益価格は安くなります。
しかし、賃借人に出てもらって、土地を売却すると高値で売れますので、積算価格と収益価格をどの程度勘案するかが問題となり、評価をめぐって対立が生じやすく、不動産業者の査定で決まらない場合は、不動産鑑定士による鑑定、双方共鑑定書を自分に有利な鑑定書(私的鑑定)を作成してもらって、価格合意ができない場合は、裁判所の選任した不動産鑑定士による鑑定(公的鑑定)をしたりして裁判所が決めることになります。
●賃料について
被相続人の確定申告書に記載されていますが、遺産分割協議までに時間がかかっているケースでは最新の賃料を確認しておく必要があります。
収益不動産は、被相続人が敷金を預かっており、収益不動産を相続すると敷金返還義務を承継することになるので評価から敷金の額の差し引きを主張する必要があります。敷金は、債務として相続税申告書に記載されていますが、念のため賃貸借契約書で確認しておいたほうがよいでしょう。
収益不動産の賃料についても注意が必要です。裁判所は、収益不動産の賃料は、遺産分割とは別で、不動産が1人の相続人の所有に遺産分割審判で決まったとしても、法定相続分で清算しなければならないとしていますので、遺産分割協議に際しては、遺産分割協議成立までの賃料の清算について合意しておく必要があります。
合意せずに、所有権のみの遺産分割協議を成立させると他の相続人から遺産分割とは別だからと法定相続分の賃料の清算請求を受ける可能性があります。
遺産分割協議で収益不動産を取得し、相続登記ができたら、賃借人に相続した事実と賃料の支払方法を通知して賃料を取得することになります。
遺産の賃料は、遺産分割とは別に、各相続人がその相続分に応じて取得することになります。したがって、賃料の管理をしている相続人に対して、法定相続分に応じた賃料の支払を請求することができます。
この請求は、遺産分割協議の際に、賃料分を相続財産に含めて分割する際に必要になります。
請求は、賃料が発生した日から請求することができます。しかし、早めに請求しておかないと、賃料の金額が膨らんでしまい、支払が困難になる可能性があります。また、管理している相続人が賃料を使い込んでしまう可能性もあります。
そのため、遺産分割協議を検討する際には、早めに賃料の請求を行うようにしましょう。
遺産分割協議で1人の相続人の所有とせず共有とした場合は、賃料の分配が継続します。
共有を解消するには、共有持分を他の共有者に買い取ってもらうか、居室毎の区分所有にすることになります。
この交渉が成立しない場合は、地方裁判所に共有物分割の訴訟を提起し、裁判所が、全面価格賠償(買取)、現物分割(区分所有)の順に検討し、いずれも無理と判断した場合は、競売となります。
競売は、共有物全体を売却する方法であり、価格が安くなる可能性があるため、共有物分割協議では、共有持分の買い取りや区分所有を検討することが重要です。
共同で第三者に売却することも、共有物分割のひとつの方法です。この方法であれば、競売よりは高値で売却できる可能性が高いでしょう。
市街化調整区域の農地は、宅地への転用が難しいので、付近の宅地に比べ安く評価されます。
農地は、農地法で農業委員会の許可がないと売買できず、買い主が農家でないと許可がでません。
農家はどこも後継者不足で今の時代に農地を買い取って、耕作地を増やそうとする農家はまれですので、調整区域の農地は買い手がないことになります。
また取得しても農業の経験のない相続人が、自ら耕作することはできず、近くの農家に作ってもらうことなりますが、小作料はほんのわずかです。
以上のとおり、市街化調整区域内の農地は経済的価値が乏しいので、付近の宅地並に評価できず、固定資産評価(固定資産税の課税通知書の評価)や、固定資産評価の倍率評価(相続税申告書の評価)を参考に双方譲歩して価格合意して、争点を減らす方向で協議するのが賢明かと考えます。
金融機関から、不動産担保ローンで代償金を借り入れ支払う方法があります。
銀行、ノンバンク等ありますが、まず金利の安い銀行で相談してみましょう。
①融資は借金である
非常に当たり前の話ですが、融資を受けると言う事は、借金をすると言う事です。
毎月の支払いが出来れば良いのですが、支払いが滞ってしまいますと、最悪は自宅が競売にかけられてしまい、せっかく相続したご自宅を手放す事になるかもしれません。
そのリスクを負ってでも融資を受けるのかを、慎重に考えるべきです。
②借金は相続される
あなたが生きている間に全額を返済出来れば良いのですが、残債務を残したまま亡くなった場合、相続人がその借金の対応を行わなくてはいけません。
借金を相続人固有の財産で支払うのか、それとも相続放棄するのかなど、いろいろと対応方法はあるのですが、残された相続人に迷惑をかける事は間違いありません。
③借金には利息がある
これも当たり前なのですが、それでも利息の事を甘くみている方が多いのが現状です。
例えば、1,500万円を年利1%、毎月10万円返済した場合、最終的に支払う利息はいくらかお分かりになりますか?
その利息の合計は100万円以上です。
つまり、利息を支払うと言う事は、将来のあなたの収入から、この100万円以上のお金が消える事と同じ意味なのです。
借金を分割で返済していくと月々の負担はさほど感じないかも知れませんが、利息を支払う=ご自分の財産が減ると言う事をご理解ください。
まとめ
このように借金をする事(特に代償分割の代償金のような大きな金額の借金)は、非常にリスクが高い行動と言えます。
本当に融資が必要なのか、自称相続コンサルタント、自称相続専門家の話に振り回されないで、慎重に検討すべきです。
場合によっては、遺産の自宅を売却して、その資金で自宅を購入することも検討しましょう。
家庭裁判所に遺産分割調停の申立をし、調停で話し合っても長男がお金を準備しない場合は,調停を不調として家庭裁判所で、遺産の売却を命じ、あるいは遺産を競売する審判をしてもらいます。
もっとも、遺産の一部が被相続人と長男の共有となっている場合は、遺産を共有とする審判をしてもらいます。
そして,地方裁判所で共有物分割訴訟をして,それでも長男がお金を準備しないときは競売となって、競売代金を共有割合でわけることになります。
競売となると時価の5割から7割の値段でしか売れませんのでいずれかの段階で共同して実家を売却することになります。
当事務所ではこのような事例で競売まで進行した事例もありますのでお気軽にご相談ください。
境界が不明な土地でも、相続人の1人が相続したり、売却できれば問題ありません。
問題は、土地が広く不動産業者が分譲目的で購入するような土地である場合や、相続人か分筆した土地をそれぞれ相続する場合です。
土地を分筆するには隣接する土地の所有者に境界の確認をして、印鑑をもらう必要があります。
分譲目的の売買の場合は、境界の確認ができていることが条件となります。
境界確認を拒否されると法務局で筆界特定手続を行って境界を再現してもらわなければなりません。
いずれにしろ測量費用が必要となりますが,筆界特定手続を弁護士や土地家屋調査士に代理を依頼する場合は、その費用や筆界特定手続での測量費用も必要となります。
これらの費用は遺産の管理費用として、遺産から支出することになります。
事前準備
上記の内容を関係者で協議して、決定し事前に合意書を作成した上で、信頼できる不動産業者に依頼し、不動産を売却することになります。
藤井義継法律事務所では複数の信頼できる不動産業者をご紹介できますので、ぜひご相談ください。
実家を残して相続した場合、取得した相続人が居住する場合は、空き家問題や建物の管理・修繕の費用などのデメリットは発生しません。
ただし、賃貸する場合は、空き家問題のリスクや、古い建物の場合は修繕費用がかかること、売却する際に賃借人がいると売却が困難になることなどのデメリットが発生します。
また、不動産取得税はかかりませんが固定資産税の負担が続きます。
相続した不動産を次の相続で取得する相続人は、相続税の評価額が時価ではなく路線価で評価され、相続税の負担が軽減されます。
ただし、路線価は時価より低いため、相続税の負担が軽減されるとはいえ、相続税の支払いが必要になる場合があります。さらに、相続した不動産を取得するためには、相続登記を行う必要があります。
相続登記は、不動産の所有権を相続人に移転するための手続きですので、登録免許税や印紙税などの費用がかかります。
このように、相続した不動産を取得した場合、不動産取得税はかかりませんが、固定資産税の負担が続き、次の相続で相続税の負担が軽減される一方で、相続登記の費用が必要になるというデメリットがあります。
不動産が高額な場合、相続税を払えるだけの金融資産が遺産にないと相続税支払のため売却することになります。
相続するデメリット
可能性がある相続するメリット
実家を売却した場合は譲渡所得税が課されます。また、売却時期によって課税の軽減措置が適用されないことがあるため、事前に調査しておくことが大切です。
実家を売却して現金化することで、次の相続の際には不動産を相続する必要がなくなります。
そのため、相続税の額が抑えられ、不動産の相続をめぐるトラブルのリスクを回避することができます。
また、実家を売却することで、固定資産税や都市計画税などの税金が不要になります。さらに、空き家になった場合の管理の手間や費用もかかりません。
以上のことから、実家が売却困難な地域にある場合は、早期に売却を検討することが望ましいと言えるでしょう。
実家やマンションが被相続人の単独名義の場合は、配偶者短期居住権がありますので、立ち退かすことはできません。
遺産分割協議が成立するまでは、配偶者短期居住権がありますので、立ち退かすことはできません。この期間は、最大6ヶ月間です。
遺産分割協議が成立しない場合は、遺産分割調停の申立をすることができます。遺産分割調停において、配偶者居住権の申立をすれば、裁判所が認めると亡くなるまで配偶者長期居住権が生じます。
もっとも、高齢者が亡くなるまで独居することは困難ですので、施設に入る際には、配偶者にお金をだして放棄してもらえばよいのですが、認知症で判断能力がなくなった場合は、成年後見制度を利用する必要があります。
税理士さんが計算した申告書の評価額は、時価より低額です。
アパートを取得しようする相続人はこの評価を主張しますが、相続税申告書を作成した税理士さんに時価より低額であることを説明してもらえば納得するかもしれません。
それでも納得できない場合は、不動産業者に査定を依頼します。不動産業者は依頼者に有利に高く査定したり、安く査定することが可能となります。
査定書をチェックする際に注意すべきことは、居住用不動産の場合、路線価や公示価格から土地の値段を計算し、建物の固定資産評価額を足して、時価と考えます(積算価格と言います。)。
収益不動産の場合は、積算価格に年間収益を期待利回りで割って、収益価格を計算して、積算価格も勘案して時価を計算します。
また、商業地に2階建の文化住宅が建ち不動産の有効利用ができていない場合は、収益価格は安くなります。しかし、土地を売却すると高値で売れますので、積算価格と収益価格をどの程度勘案するかが問題となり、評価をめぐって対立が生じやすくなります。
不動産業者の査定で決まらない場合は、不動産鑑定士による鑑定を依頼します。
不動産鑑定士は、双方共自分に有利な鑑定書(私的鑑定)を作成することが多いため、評価額が双方に納得できるとは限りません。
それでも評価額が合意できない場合は、裁判所の選任した不動産鑑定士に鑑定(公的鑑定)を依頼します。裁判所は、その鑑定書を参考にして、最終的な評価額を決定することになります。
宅地化が可能な土地は、宅地にして売却できますので宅地としての評価から、転用にかかる行政書士費用や司法書士の費用を差し引くことになります。
市街化区域内の農地は、相続税評価や固定資産税で宅地並課税がなされているので、遺産としても宅地並に評価するのが正しいことになります。
不動産業者に査定してもらっても納得してもらえない場合は、不動産鑑定等をするか、弁護士に依頼して納得しない相続人を説得して遺産分割協議を進めてもらうことになります。
この場合は、事前に遺産分割協議書を作成して、遺産の分け方を決め、弁護士を代理人として選任し、相続手続きを進めます。
不動産の売却などの場合、相続人全員が署名・捺印した印鑑証明書や実印が必要になるため、相続人全員が集まるのが難しい場合があります。この場合は、相続人の中から1人を代表者として選び、単独相続登記をします。これにより、相続人全員の印鑑証明書や実印が不要になり、不動産の売却をスムーズに進めることができます。
ただし、大手の不動産業者では、売り主名義の相続登記が完了していないと仲介を受け付けないところもあります。そのため、相続人全員の同意を得て、事前に単独相続登記をしておくことが望ましいでしょう。
なお、換価分割のための単独相続であることが遺産分割協議書上明らかになっていれば、相続税や譲渡所得税は、各相続人に課されますので、税金の心配は不要です。
まずは相続人の調査が必要です。父母や祖父母の戸籍記載事項証明書や謄本は区役所で取得できますが、おじやおば兄弟など横関係の戸籍記載事項証明書や謄本は取得できないことが多くあります。
弁護士に依頼していただければ職務上請求として、相続人の戸籍謄本や戸籍抄本を取得することができます。
相続人全員と話し合い、処分・取得の方法を決めることができます。
話し合いがまとまらず、時間がかかってしまう可能性があります。このような場合、相続人全員と話し合いで解決するのが難しいため、弁護士に依頼して、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てましょう。調停では、相続人全員に連絡を取り、相続する意思のない相続人を除外した上で、単独相続の審判をしてもらいます。
弁護士に依頼して、家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立をすることが考えられます。所定の手続を経て相続人不存在を確定してもらうか、負債が多い場合は、家庭裁判所の許可を得て相続財産管理人から遺産の持分を購入することになります。
近年、空き家は社会問題として深刻化しています。空き家を相続した場合、所有者や相続人、近隣住民など、さまざまな利害関係が複雑に絡み合うため、解決が難しい問題となります。また、空き家を放置することは景観を悪化させたり、倒壊や放火のリスクも高まり、犯罪の温床になる可能性もあり管理責任を問われる立場にもなりかねません。
豊富な経験と知識を活かし、相続による空き家問題の解決に尽力します。
相続した空き家を処分する場合、相続人全員の同意が必要です。
まず、不動産業者に査定を依頼して買い主を見つけましょう。
大手の不動産業者では、相続登記が完了していないと仲介を受け付けないところもありますので、事前に相続登記を済ませておく必要があります。
相続登記が完了したら、他の相続人に買い手が見つかったことを伝え、売却を承諾してもらいましょう。売却代金の分配をスムーズにしたい場合は、弁護士に依頼して遺産分割協議書を作成してもらいましょう。
空き家を処分するメリット
相続した空き家を取得したい場合は、他の相続人と話し合い、単独相続を認めてもらう必要があります。
単独相続をするには、他の相続人に相続分相当の代償金を支払う必要があります。代償金の支払い資金がない場合は、金融機関から借り入れをして支払うことになりますが、住宅ローンより金利が高くなる可能性があります。
相続人同士の話し合いで決まらない場合は、弁護士に依頼して交渉してもらうか、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしましょう。遺産分割調停は時間がかかるため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
当事務所では、このような案件を数多く扱ってきた実績があります。空き家の処分や取得でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
空き家を取得するメリット